手作りヨーグルト、腐らせる派ですか?
- おすそ分けした種ヨーグルトは、腐らせて終わる人が大半だという、事実に気づいた父子2代の思い
- それでも、やっぱり作りたかったらチャレンジして!!
これから、親子2代にわたる手作りヨーグルトの話をします。
ほとんどの友人、知人は、おすそ分けの種ヨーグルトを、程なくして腐らせる、という事実に気がつきました。
手作りヨーグルトにまつわる、父子の悲哀。
しかし、譲り受けた友人にも様々な事情あり。
結論。仕事に育児に忙しいんだから、腐らせても問題なし!
そんな、プレーンで、かすかに酸っぱい出来事を綴っています。
父子のヨーグルト遺伝子
実家に帰省した時のこと。
朝食のデザートとして、父手作りのヨーグルトを、食べていた。
牛乳パックに種を継ぎ足し、継ぎ足しして作った、カスピ海ヨーグルト。
もう10年以上経つであろう、手作りヨーグルト。
父は丁寧に牛乳パックにラップを掛け、輪ゴムで固定している。
ヨーグルトに、雑菌や埃が入るのを防ぐ為だ。
常時、2パックは手作りヨーグルトを保持している父。
朝夕2回。
えごま油、きな粉、ココアを混ぜて食べる。
健康マニアだ。
父が考えた、揺るぎない健康法。
私は、ヨーグルトには何も入れない。
嫁ぐ時に、このカスピ海ヨーグルトを譲り受けた。
嫁いで5年以上経つが、毎朝食べている。
癖が無く、酸味が少ないので食べやすい。
子供には甘酒、ごま、きな粉をトッピングして与える。
「お前、嫁ぎ先でも、ヨーグルト食べてるのか?」
と、父が尋ねる。
「毎朝、食べてるよ。」と、私。
「そうか……。」
「お前だけだな。ヨーグルト続けてるの……」
「えっ。……そうなの?」
「ヨーグルト、あげても、皆、ダメにしちゃうんだよなぁ……」
と、つぶやく父。
「……そういえば、おすそ分けした友人も腐らせていた。」
ハッと気づく私。
父の友人といい、私の友人といい、手作りヨーグルトが続いていない。
まさか、大体の人がヨーグルトを腐らせてしまうとは。
我々父子は、ヨーグルト作りを、5年、10年と続けている。
それが当然と思っていた。
飽きもせずに、1年365日、コツコツとヨーグルトを食べ続け、お腹の環境を整える。
ヨーグルト作りの遺伝子は、父子2代にわたって、脈々と受け継がれている。
ヨーグルト作りは、父子にとって朝飯前。
もともと、扱いやすい菌種の、カスピ海ヨーグルト。
夏の暑さにも
冬の寒さにも耐えて
常温で発酵
冷蔵庫保存
ヨーグルトが減ってきたら、新しい牛乳に継ぎ足して、発酵
この当たり前のサイクルが、
多くの人にとって、難しいことだなんて、
考えてもみなかった。
「皆、ダメにしちゃうんだよなぁ」
心なしか、父の背中が弱々しく見える。
手作りヨーグルトは、我が子のようなものだ。
手作りヨーグルトを譲った友人に、ダメにされたら、やはり父も複雑な心境だろう。
ヨーグルトの異変
手作りヨーグルトを受け取った側だって、腐らせたいわけじゃない。
もらった当初は、それなりに手作りヨーグルトを楽しんでいただろう。
それでも、そもそもヨーグルトを食べる習慣がなかったり、
作り足す為の、牛乳を買い忘れたり、
子育てに追われ、
仕事も忙しい、
手作りヨーグルトの世話をする時間がない。
いくらカスピ海ヨーグルトが丈夫な菌種だからって、
あまり過酷な状況だと、生きられない。
気づけば、台所の隅で、ヨーグルトが異臭を発している。
表面もピンク色。
腐ったヨーグルトを食べてはいけない。
またチャレンジしてみて!!
失敗したって、大丈夫。
また、作りたくなったら、声を掛けてほしい。
「ヨーグルト分けて!」って、元気よく教えてくれたらいい。
「何度でもチャレンジしてみて!!」
私もカスピ海ヨーグルトも、その時を待っている。
きっと、父も同じ気持ちだ。
遠く離れた地で、父がヨーグルトを作っている。
我々父子は、2代にわたり、
今日もヨーグルトを作り続ける。
to be continued
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